踊る科学調査隊!2
博士
「踊る科学調査隊!今日のテーマは世界最大の望遠鏡じゃ!科学くんは世界最大の望遠鏡がどこの望遠鏡か知っているかな?」
科学くん
「興味がない」
博士
「え?」
科学くん
「興味がない」
博士
「ちょっと待って?世界最大じゃよ?興味あるじゃろ?」
科学くん
「興味がない」
博士
「いや、え?でも──」
科学くん
「興味がない」
博士
「……科学くんがワシの目を直視しながら『興味がない』と断言するので、ワシも自分の手を胸に当てて冷静に考えてみたんじゃが、確かにワシもそんなに『世界最大の望遠鏡』に興味がなかった。ワシはなんで『世界最大』なんて言葉に惑わされたんじゃ。そもそも星にもあんまり興味ないし。っていうかワシってそもそも科学にそんな興味ないかもしれない。ただ得意だっただけで。ワシの夢ってなんじゃったっけ……。そうじゃ、思い出した。ワシは昔、スーパーマンになりたかったんじゃ。空を自由に飛び回り、超人的な力で世界を救う、ヒーローになりたかったんじゃ。なんじゃ『博士』って。名前からして脇役じゃないか。ワシはこのまま脇役で終わるのか?ワシの夢を思い出させてくれた科学くんに感謝じゃ」
博士
「科学くんひとくちメモ!!今日も、日常で使える便利な科学をひとくちメモで教えるぞ。今日のひとくちメモはこちら!『科学くんはその素直な性格から、この番組の主役に抜擢されたが、あまりにも素直なため、友だちが一人もいない』」
博士
「さて、次回の踊る科学調査隊は『博士、科学の力を一切使わず空を飛ぶ』じゃ。飛べないブタはただのブタじゃ。飛べない人間はただの人間じゃ。なーに、崖から落ちて、飛べなかったら死ぬだけじゃ。科学なんかクソ食らえ。夢に死ねれば本望じゃ」