「逢沢りく」を読んだよ
「逢沢りく」を読んだ。
これはマンガです。著者は「ほしよりこ」さんといいます。「ほしよりこ」さんは鉛筆漫画家として知られています。
ところで皆さんはこの著者の「ほしよりこ」さんをご存知でしょうか?え?知らない?
あなたはなぜ「ほしよりこ」さんがあまり有名ではないか知っていますか?
それは人類が愚かだからです。
人類は今までも、そしてこれからも愚かでしょう。イジメを行い、子供を虐待し、自然環境を破壊し、戦争を行う。その果てに、ついには「ほしよりこ」さんを知らないとか……!ああ愚か。
さて、「ほしよりこ」さんが描いたこの漫画「逢沢りく」は伝説の漫画です。手塚治虫文化賞「マンガ大賞」を受賞しています。なのに、このマンガはあまり知られていない。ほんとなんて人類は愚かなんだ。この漫画は伝説の漫画なのに。なのになぜか引っ越しの勢いで私、この伝説の漫画を捨てちゃったけど。でも、捨てた今でも思い出す。「あのマンガは伝説の漫画だったなー」と。
なぜ伝説の漫画を捨てたのか?その謎は現在の科学技術ではまだ解き明かすことは出来ないのです。
というわけで、内容を大体覚えているし、皆さんにも読んでほしいので今日はこの漫画の内容を紹介しよう。
まず、主人公の女の子。逢沢りくさん。美少女ですが性格がクズです。最初の10ページくらいで「あ、この主人公、性格がクズ!」って皆さん分かると思います。
あ、待って。主人公の性格がクズだからってマンガを閉じないで。もう少しだけ我慢して読み進めてください。主人公の父親が出てきます。性格がクズです。
待って。待って。主人公と主人公の父親がクズだからってマンガを閉じないで。もう少しだから。もう少しだけ我慢して読み進めてください。主人公の母親が出てきます。性格がクズです。
主人公一家は性格がクズなんです。
このマンガは上巻と下巻に分かれているのですが、上巻では、いかにこの主人公一家の性格がクズなのか。クズ野郎なのか。見ていてムカつくのかが描写されます。そして、クズのクズによるクズたちのための天下一クズ武闘会が開催されます。父、母、主人公のうち誰が一番のクズなのかを決める戦いが始まります。優勝は誰だ!?
っていうのが上巻です。
で、下巻では、この天下一クズ武闘会に敗れた主人公の女の子が大阪の親戚の家で暮らすことになります。
皆さんは思うことでしょう。「性格がクズの女の子が義理と人情の大阪で暮らすことになる?ということは、義理と人情にほだされて、性格が改心し、なんだかんだ主人公の父親と母親も性格が良くなりハッピーエンドだろ?」はいはい。愚か愚か。人類はなんでこんなに愚かなんだ。そんな誰でも思いつくような底の浅いストーリーで手塚治虫文化賞「マンガ大賞」を受賞できると思いますか?マンガ大国日本をなめるなよ?
下巻を読むことで、上巻はただの壮大なプロローグだったことが分かります。下巻こそが本編。この大阪では主人公の女の子がめちゃくちゃ足が早くて「忍者になれるんじゃないかな?」っていう話が出たり。出なかったり。出ないけど。
で、この漫画がなぜ伝説になりえたのか。賞を受賞するに至ったかは、このマンガの終わり方が完璧だからです。「え?こういう終わり方!?」っていう終わり方をします。多分、普通の漫画家だったら、もっとキレイなまとめ方とか、もっと上手い終わり方をするのだと思います。でも、なんせ「ほしよりこ」さんは天才だから。伝説だから。天才の漫画家しかできない終わらせ方をするのです。
正直、終わらせ方に不満を持つ人もいるかもしれません。でも、読み終わった後に、しばらく時間を置いてみてください。段々と「あの終わらせ方凄いな」「むしろあの終わらせ方しかないな」「『ほしよりこ』さん天才だな」と思うようになります。
このマンガがハッピーエンドかバッドエンドかはあなたの目でご確認ください。