ガルニモ

正直、異世界転生ものは広告とかで漫画のさわりを見たことがあるだけで、作品をちゃんと見たことはないけど。

ネコ

異世界転生のレベルアップ、現実世界のレベルアップ

最近の漫画、小説、アニメは異世界転生ものが主流である。異世界転生ものでよくあるのは、異世界転生した結果、誰にも負けない特殊能力を手に入れて、それを元に異世界で大活躍する、と言うものである。

ただ私は前から思ってたけど、誰にも負けない特殊能力を手に入れた程度であれほど大活躍できるのであれば、異世界転生する前の、特殊能力がない現実世界でも、既にある程度活躍できていたのではないだろうか。言い換えるなら、例え今、現実世界で誰にも負けない特殊能力を持っていたとしても、特殊能力を持っているだけではそれほど活躍できないのでは無いか、と言う話だ。みんな「能力」と言うものを過大評価し過ぎているのでは無いだろうか。

例えばフィギュアスケートの羽生結弦さんは確かにフィギュアスケートの才能もあったけど、それだけでなく良い意味での「ナルシスト」良い意味での「自信」があった。つまり、仮に羽生結弦さんがフィギュアスケートの才能が無かったとしても、良い意味での「ナルシスト」良い意味での「自信」を武器に、他の分野でもある程度結果を残したのでは?と思う。

他にも将棋の藤井聡太さんは確かに将棋の才能もあったけど、それだけでなく「かなりの負けず嫌い」であり、仮に藤井聡太さんが将棋の才能が無かったとしても、「かなりの負けず嫌い」を武器に、他の分野でもある程度結果を残したのでは?と思う。

他にも野球の大谷翔平さんは確かに野球の才能もあったけど、学生時代に目標達成のために「マンダラチャート」と言うものを使ったことが有名で、さらにその「マンダラチャート」を元にちゃんと「努力」も続けたことも有名だ。つまり、仮に大谷翔平さんが野球の才能が無かったとしても、マンダラチャートっていうのを使うといいよ、と言われて素直にそれに従う「素直さ」や、それを元にちゃんと「努力できること」それを元に努力できる「誠実さ」などを元に、他の分野でもある程度結果を残したのでは?と思う。

誰にも負けない特殊能力を持っていたのに生きている間は全然活躍できなかった人としては画家のゴッホが有名だ。ゴッホは生きている間は1枚しか絵が売れなかったと言われていて、死後にようやく評価された人である。

つまり「活躍できるかどうか」は「能力」だけでは決まらず、「性格」や「運」などの「総合的な力」で決まる。

だから、きっとこの現実世界には特殊能力がないのにめちゃくちゃ活躍してる人もいれば、すごい特殊能力があるのに全然活躍できていない人もいると思う。

で。今回はこういう話がしたいのではなくてレベルアップの話がしたい。

異世界転生ものでは「レベルアップ」というシステムが存在することが多い。ある程度何かの分野に努力すると、明確に「レベルアップしました」とアナウンスされて、実際に能力が向上したり特殊能力を手に入れたりするのだ。

実際にこの「レベルアップ」というシステムが存在するなら、これほど人間のモチベーションを上げるものは無いと思う。だって努力すれば目に見えて自分の能力が上がる上に、それに応じて新しい特殊能力を手に入れたりするんやで?努力がめちゃくちゃ楽しくなると思う。

だからもし「レベルアップ」というシステムが存在する異世界が存在するなら、その異世界の住人たちは「レベルアップ」が楽し過ぎてどんどん努力して全員とっととレベルMAXまで到達させると思う。つまり小説のタイトルは「異世界転生して俺はレベルマックスだけど、他のみんなもレベルマックス」みたいになると思う。

「レベルアップ」という、目に見えて努力の結果が出るからこそ、その世界では「努力」が楽しいものになる。では、同じように「現実世界」で目に見えて努力の結果が見えたら「努力」が楽しいものになるのでは無いだろうか。

そして私が思う「目に見えて努力の成果が実感できる方法」が「目標を持つこと」である。

「目標を持つ」ということは「ゴール(理想的な姿)」が見えているということである。そして努力の結果「ゴール(理想的な姿)」に近づいている実感があることで、異世界の「レベルアップ」と同様に「努力」の成果が実感できて、「努力」が楽しいものになるのではないか。

逆に言えば「目標」を持たないと、人間はあまり自分の成長を実感できないのではないか。なぜならどこも目指していないから。「どこまでゴール(理想的な姿)に近づいたか」というゴールの対象がないので、どこにも近づいていないし、どこにも離れてもいない。

もちろん社会人経験を通して、なんとなく会社の電話に出れるようになったな、とか、なんとなく他社の人と打ち合わせできるようになったな、という感じのレベルアップはあるけれど、これは「レベルアップした」という実感よりは、社会人生活に「慣れてきたな」というものな気がする。だから別に「努力が楽しい」とまでは思えないのではないだろうか。

でも仮に「バンバン昇進して偉くなって最終的に社長になるぞ」という目標を持っているなら、会社の電話に出れるようになったり、他社の人と打ち合わせできるようになったら、「よしよし、社長になるための社会人能力が上がっているぞ」と楽しいものになるのではないだろうか。そうやって会社での色々なことを身につける努力が楽しくて、ますます努力するのではないだろうか。

さらに「レベルアップ」ってゲーム的に言えば「経験値」を貯めてレベルアップするものだけど、「目標を持ち」「それを目指して努力する」ことで、仮に最終的にその目標を達成できなくても、それに関しての経験値は得られるんだよね。「これを目指すならこういう努力をすると良いんだな」とか、逆に「こういう努力をして目標達成に失敗したということは、この努力は間違ってたんだな」とか「これを目指してたからこういう知識を手に入れたわ」とか。で、そういう経験値ってその目標以外の別の分野で使えたりする。

というように私は前からちょくちょく「人生では目標を持つと色々良いメリットがあるよ」っていう話をしている。例えば目標を持たないと人生はどこにも進まないけど、目標を持つことで人生はその方向に進み出す。

芦田愛菜さんの話をしよう。

芦田愛菜(あしだまな)さん知ってます?そうそうテレビに出てる人。タレントの人。元子役の人。

ネットで、ジャニーズの嵐の番組に芦田愛菜さんがゲストとして出演してた番組を見ましてね。でも昔放送されたやつで、当時芦田愛菜さんは小学5年生か6年生だったっぽい。

で嵐が芦田愛菜さんに「好きな男性のタイプは?」って聞いたら芦田愛菜さんが「目標を持っている人」って答えてたのを見た。

例えば「やさしい人」とかなら分かる。「リーダーシップがある人」とかも分かる。「明るい人」とかも分かる。「面白い人」とかも分かる。「スポーツが得意な人」とかも分かる。「かっこいい人」とかも分かる。

でも小学5、6年生の子が普通好きなタイプ聞かれて「目標を持っている人」って答える?こう答えるっていうことは、もうこの年で「目標を持つことのメリット」を腹の底から理解できてるとしか思えない。

私「目標を持つことのメリット」が腹の底から理解できたのが、ようやく20代の後半だった。私が20代の後半でようやく理解できたことを、芦田愛菜さんは小学5、6年生ですでに理解してるんだ……。すごい……。

でも確かに私が小学生の頃に「目標を持つといいよ」というのはなんとなく言われていた。なんとなく言われていたから、なんとなく聞いてただけで理解はしてなかったけど。芦田愛菜さん、なんとなく聞いてただけじゃなくて、ちゃんと理解してるんだ……。そうなんだ……。

そして今や芦田愛菜さんは大学生になろうかという年齢である。私が20代後半でようやく理解できることを、芦田愛菜さんは小学5、6年生で理解できるということは、素直に考えれば私と芦田愛菜さんとの差は広がったと考えるべきである。

芦田愛菜さんは今や私が知らない知識を持っていたり、もしくは私の考えも及ばないような理解をこの世界にしていたりすることを想像すると、芦田愛菜さんはすごいな。

そして芦田愛菜さんだけが特別すごいわけではなくて、多分小学5、6年生で既に「目標を持つというのはすごいメリットがある」と腹の底から理解できている頭の良い人は世の中にたくさんいて、そういう人たちは私がもはや追い付かないレベルで世の中で活躍してるんだろうな。すごいな。

でも、正確には「頭が良い」ということよりも「目標を持つことはメリットがある」ということを理解できていることの方が重要な気がする。

例えばサッカー選手の本田さんは「清々しい(すがすがしい)」を「清々しい(きよきよしい)」と読んで一時話題になったから、本田さんはおそらく勉強ができるかという点では頭は悪いけど、でも小学生の頃からプロサッカー選手になって世界で活躍するという目標を持っていて、「目標を持つということはメリットがある」ということを腹の底から理解できていたという点で頭がいいんだよな。

つまり「勉強ができる」という意味での頭の良さよりも「この世界で何を知っていて何を理解していることが大切か」を知っているという意味での頭の良さが大切なんだと思う。

そして「この世界で何を知っていて何を理解していることが大切か」の中には「目標を持つこと」以外にも様々な何かがあり、その中には私がまだ存在にすら気づいていない何かもあることを想像するとすごい。

そして私が存在すら認知していない「この世界の大切な何か」を既に知っていて、それを元にこの世界を攻略している人がこの世界にたくさんいることを想像すると、この世界は色々すごいなー。

という頭の悪い私からのこの世界への雑な感想。