人間は「人は多面的な性格の生き物」という情報を処理するのが苦手な気がする
人間は「人は多面的な性格の生き物」という情報を処理するのが苦手な気がする。
例えばAさんを「良い人だ」と認識すると「表の顔から裏の顔まであらゆる部分で良い人のはずだ」と認識してしまう気がする。
例えばBさんを「悪い人だ」と認識すると「表の顔から裏の顔まであらゆる部分で悪い人のはずだ」と認識してしまう気がする。
例えばジャニーズ事務所の亡くなった元社長(通称ジャニーさん)が生前未成年の少年を性的搾取していたとされた事件だけど、でもジャニーさんはジャニーズのファンの女の子たちには優しくてジャニーズの商品を学生でも購入できるようにあまり高価格にならないようにして販売していたらしい。
だからつまりジャニーさんは、ジャニーズのファンの女の子にやさしくでき、かつ青少年を強姦するような二面性(多面性)がある人間なんだな、という理解なのだけど世の中の人は「ジャニーさんは良い人のハズ」という情報処理をしていて「多面性がある人間」という情報処理が脳内で上手くできなくて、その結果「性被害を訴えている人は単に売名がしたいだけだ」という認知のゆがみを発生させて性被害にあった人たちへの非難をずっと続けていて、確かそのせいで性被害にあっていた一人が自殺してた。
今の時代いくらでも売名できる手段があるので、素直に考えればわざわざ「おっさんに強姦された」というヤバい事件で売名すること無いと思うのだけど、たぶん皆「人間は多面的」という情報処理が脳内でうまく行かなくて「きっと売名だ!」という認知のゆがみを発生させたのだと思う。
あと兵庫県の斎藤知事の話も素直に受け止めるなら「既存勢力と戦い、かつパワハラもしていた」なのだけど、やっぱり皆「人は多面性がある」という情報処理が出来ずに「既存勢力と戦っていたんだから良い人のハズだ」という情報処理をして「そもそも人間には多面性がある」という情報処理が出来ずに、パワハラ問題を責めていた人への非難をして、パワハラ問題を追及していた内の一人がやっぱり自殺してた。
「ジャニーさんは良い人のハズ」「斎藤さんは良い人のハズ」と認識している人がなぜ自殺するまで人を追い詰めることができたかというと多分「自分に正義がある」と思ったからであり、やっぱり人間は「自分に正義がある」と認識した時に一番攻撃的になるんだなあ、と思った。
「人間はそもそも多面的な生き物」って認識することってそんなに難しいか?そもそも「ペルソナ」という言葉もあるし、なんならこの文章を読んでいるあなたも多面的な人間じゃない?
だから要するに「ジャニーさんは女の子にやさしく、美少年は強姦する人」「斎藤さんは既存勢力と戦い、パワハラもする人」なだけだと思うのだけど。なぜこの情報処理がみんな素直にできないのかが分からない。
そして単純に「女の子にやさしい人でも、未成年を強姦する人間は罰せられるべき」だし「既存勢力と戦う人でも、パワハラは罰せられるべき」という話だと思うのだけど。
江戸時代の赤穂浪士の四十七士の話知ってる?ものすごく簡単に言えば、上司を虐めて死に追いやった奴に、元部下47人が敵討ち(かたきうち)をした、という実話なのだけど。でもこの「上司を虐めて死に追いやった奴」は、地元では「領民想いの名君」として評価されていたらしい。つまり、この赤穂浪士の四十七士で有名な悪役の人は「人を虐めるような奴」であり、かつ「地元では領民思いの名君」と言われるような多面性がある人間だということだと思う。
「地元では領民思いの名君」と言われる人でも「人を虐めるような奴」だったこの人は、ちゃんと罰せられた(殺された)よ。
人に多面性があるのはそもそも当たり前の話じゃない?